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四層ローカライズ表:海外向けのメール・資料は翻訳で足りるか

· 読了目安 8 分
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四層ローカライズ表は、Terra Vista株式会社が2026年に提唱した判定の手法で、海外向けのメールや資料を翻訳で済ませるか、ローカライズまで行うかを、文書を四つの層に分けて決めるために使います。

英文メールに返信が来ない、英語版の会社案内が商談につながらない。海外事業担当の方は、お問い合わせ窓口で自社の文書への当てはめを相談できます。

  • 翻訳が扱うのは第1層(語と文)です。返信を左右するのは第3層と第4層だと本手法は見立てます。
  • 文書ごとに4問・10点満点で採点し、3点以下は翻訳で足りる、7点以上は四層すべてと判定します(本手法の設定)。
  • 定型連絡や仕様書は「翻訳で足りる」と判定します。

海外向けのメールや資料は、翻訳だけで足りますか?

文書によります。読み手が既存の取引先で、行動を求めない文書なら翻訳で足ります。初めての相手に返信や問い合わせを求める文書は、構成と根拠まで作り直すローカライズが要ります。

四層ローカライズ表:四つの層(区分は本手法の設定)
層中身翻訳で直るか直し方
第1層 語と文文法、用語、敬称直る翻訳と用語集
第2層 表記と規格日付、単位、氏名の順、取引条件一部直る対象国の表記へ変換
第3層 構成と作法件名、結論の位置、依頼の明示直らない読み手の順序で書き起こす
第4層 根拠と信頼実績の示し方、法定の記載、訴求点直らない対象国で通用する根拠に替える
四層ローカライズ表の採点表(配点と判定線は本手法の設定)
設問配点
読み手は初めての相手か0〜3
読み手に行動(返信など)を求めるか0〜3
現地企業の資料と見比べられるか0〜2
表示や個人データの規則が関わるか0〜2
判定線:3点以下=翻訳で足りる/4〜6点=第3層まで/7点以上=四層すべて計10

英文メールを送っても海外の買い手から返信が来ないのはなぜですか?

英語の正しさより先に、第3層の順序が読み手の期待と逆になっているためです。日本の商習慣に沿った順序をそのまま英訳すると、用件と依頼が末尾に埋もれます。

日本のBtoBメールは、まず文脈を築く、断定より可能性で表現する、穏やかに断れる余地を残す、の三手を踏みます。国内では作法として働く三手も、英訳すると初見の買い手には依頼の中身が読み取りにくくなります(本手法の設定)。

海外の買い手は、日本企業のメールや資料のどこに違和感を持ちますか?

本手法は5か所を挙げます。件名と冒頭、氏名の順、取引条件、営業メールの記載、訴求点です。受け取り方は本手法の設定、右端の列は公開資料で確かめられる事実です。

四層ローカライズ表の点検表:海外の買い手が違和感を持つ箇所
箇所(層)日本式の書き方買い手の受け取り方(本手法の設定)公開資料で確認できる事実
件名と冒頭(第3層)挨拶と会社案内から始め、依頼は末尾用件が見つからず、読むのを止める米国政府の平易な文章の指針は、主題文を置き、長い文書は要約を先頭に置くよう勧める(連邦機関の文書が対象)
氏名の順(第2層)姓名の順が文書ごとに違うどちらが姓か分からず、宛名に迷う日本政府は2020年1月から公用文のローマ字表記を原則「姓―名」の順とし、姓を大文字にする書き方(YAMADA Haruo)を示す
取引条件(第2層)「価格は別途ご相談」のみ見積もりを比べられず、後回しにするインコタームズは国際商業会議所が制定した貿易取引条件の国際規則。最新版は2020年1月1日発効で、FOBなど3文字で費用と危険の負担区分を示す
営業メールの記載(第4層)署名は社名と担当者名のみ送り主の実在を確かめにくい米国のCAN-SPAM法は企業間の営業メールにも適用され、所在地住所と配信停止の方法の記載を求める。GDPRはEU域外の事業者にも適用される
訴求点(第4層)「省スペース」を前面に出す住まいの前提が違い、「容量が小さい」と読む日本の1住宅当たり延べ面積は専用住宅90.86㎡、共同住宅50.31㎡(総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」)。国内向けの訴求はこの広さが前提

TOEICの点数が高い社員がいれば、英文の営業メールは任せられますか?

点数が示すのは第1層の確かさまでです。TOEIC Listening & Reading Testが測るのは「聞く」「読む」の2つで、書く力は別の試験の範囲です。

日本語能力試験も、求める言語能力を読む・聞くという言語活動で定めています(JLPT公式の認定の目安)。

英語にすれば、どの国の買い手にも届きますか?

届く範囲は限られます。CSA Researchの2020年の調査(29か国・消費者8,709人)では、76%が母語で情報がある商品を選び、40%が他言語のサイトからは買わないと答えています。

対象は消費者で、企業の購買担当者とは範囲が異なりますが、対象国を1つに絞る根拠になります。中国の消費者による日本の事業者からの越境EC購入額は2024年に前年比8.5%増でした(経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」)。

自社の文書への当てはめ方(6ステップ)

  1. 対象国と読み手の役職を1つに絞ります。
  2. 海外向けの文書を1件ずつ採点します。
  3. 3点以下の文書は、翻訳と第2層の表記の変換へ回します。
  4. 4点以上の文書は、点検表の5か所を層ごとに確かめます。
  5. 第3層は英訳をやめ、対象国の読み手の順序で書き起こします。
  6. 送付後は返信の中身を層ごとに記録し、次の採点に使います。

計算例(架空):包丁研ぎ機を米国の販売店へ案内する場合

商品・文書・点数はすべて架空の例示です。

四層ローカライズ表の計算例(例示・すべて架空)
文書初めて行動見比べ規則合計判定
X:初回の営業メール33129四層すべて
Y:英語版の会社案内31206第3層まで
Z:既存の販売店への出荷連絡01001翻訳で足りる

Zは翻訳のまま送り、予算はXの書き起こしに集めます。

翻訳のみの進め方と四層ローカライズ表の違い

観点翻訳のみの進め方四層ローカライズ表
見積もりの単位(よく使われる目安)単語単価・ページ単価文書と層の組み合わせ
解決する問題「読めない」「読めるのに、返信しない」
翻訳で足りる文書の扱い全文書を同じ工程に載せる3点以下は翻訳で足りると判定

翻訳はどの文書にも欠かせない一段階で、第1層が中心の文書では最も速い進め方です。

Terra Vista株式会社が担うこと

Terra Vista株式会社は、英語・日本語・中国語の三言語チームと自社の制作チームを持ち、日本、中国、東南アジア、オーストラリア、パキスタンで実務を重ねてきました。

よくあるご質問

四層ローカライズ表とは何ですか?

四層ローカライズ表は、Terra Vista株式会社が2026年に提唱した判定の手法です。文書を四層に分け、翻訳で足りるかを採点で決めます。

翻訳で足りるのはどんな文書ですか?

採点表で3点以下の文書です。既存の取引先への出荷連絡、仕様書、図面の注記などが当たります。

ローカライズには対象国のネイティブが必要ですか?

第3層と第4層には必要です。求められるのは語学力より、対象国の読み手としての判断です。

機械翻訳は海外向けの営業メールに使えますか?

第1層の下書きと、相手の返信を理解する用途に向きます。CSA Researchの同じ調査では66%が機械翻訳を自分で使うと答えています。


お問い合わせ: info@terravista.co.jp | お問い合わせ窓口


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