世界で年間約12,000トンの抹茶が消費されています。
抹茶文化の本場である日本の年間生産量は、4,000〜5,000トンにとどまります。
毎年7,000〜8,000トンの供給ギャップを他の産地から補う必要があります。
このギャップは長年にわたり中国茶産地によって静かに埋められてきました。しかし、2024年と2025年の出来事により、この構造が急遽サプライチェーン上の重要課題として浮上しました。
日本のてん茶生産に何が起きたか
てん茶は、石臼で挽いて抹茶粉にするための覆下栽培茶葉です。日本を代表するてん茶産地——とりわけ京都の宇治——が2024年と2025年に連続して記録的な熱波に見舞われ、生産量が約40%減少しました。
価格への影響は即座かつ深刻なものでした。
- てん茶の卸売価格が160〜265%上昇
- 競り価格が前年比1.7〜5.5倍に達した事例も
- 日本のバイヤーは代替産地の探索を本格化
抹茶を原料とする飲食チェーン、小売ブランド、食品製造会社にとって、この価格高騰は実際の調達課題となりました。
世界の抹茶はどこから来るのか
中国は世界最大の茶輸出国であり、緑茶が輸出総量の86.6%を占めています。3つの省が主要なてん茶・抹茶産地として台頭しています。
貴州省(銅仁市)
世界最大規模のてん茶生産設備の一つが立地し、年間生産能力は2,200トン超。中国から日本へのてん茶輸出量で現在も最大の供給省であり、ISO 22000とAIB認証を取得したパートナー工場を有しています。
四川省(蒙頂山)
標高800〜1,500メートルの高原産地で、日本の優良産地と類似した気候条件のもとにてん茶生産が拡大しています。竹葉青や蒙頂甘露など四川茶はスペシャルティ市場でも一定の評価を得ています。
雲南省
標高1,200〜2,000メートルで栽培される独自の大葉種が特徴です。かつてはプーアル茶の産地として知られていましたが、その独自のテロワールが、独特の風味を求める抹茶バイヤーから再評価されています。
中国産抹茶の品質はどうか
これは多くのバイヤーが最初に尋ねる質問です。データは多くの方の予想より明確な事実を示しています。
独立機関による官能評価(ブラインドテスト)では、中国産抹茶の風味品質は日本産と同等と評価されています。主な違いは価格で、同等グレードの中国産てん茶は日本産より30〜50%安価なことが多いです。
品質グレードの幅は両国ともに広く存在します。工業用(食品製造向け)は1kgあたり2,000〜5,000円FOB、フードサービス用は5,000〜11,000円、セレモニアルグレード(最高品質)は11,000〜20,000円程度です。
食品安全・輸入コンプライアンス
日本向け輸入においては、農薬ポジティブリスト制度への適合が絶対条件です。この規制は800以上の管理物質を対象とし、一品目でも違反があれば該当ロット全量が廃棄となります。
実績ある中国茶輸出業者は、SGS Japan、インターテック、日本食品分析センターなどの公認試験機関による出荷前検査を実施しています。標準検査パネルは266農薬成分を対象とし、以下の4成分への対応が特に重要です。
- フィプロニル(基準値:0.002 ppm)
- インドキサカルブ(基準値:0.01 ppm)
- トリアゾホス(基準値:0.01 ppm)
- エンドスルファン(基準値:0.01 ppm)
コンプライアンス適合ロットには、試験成績書(CoA)、農薬試験報告書、原産地証明書、植物検疫証明書が随伴します。特定の茶園から加工バッチ、輸出ロットまでのロット追跡体制は、主要輸出業者では標準化されています。
市場見通し
世界の抹茶市場は2025年時点で約40億ドル規模と推定され、年平均成長率は10.6%が予測されています。健康意識の高い消費者層の拡大、フードサービス用途の多様化、植物性原料への関心が成長を牽引しています。
てん茶栽培は覆下栽培インフラへの長期投資が不可欠であるため、日本国内生産の急速な回復は見込みにくく、供給ギャップは少なくとも2027年まで続くと考えられます。
調達担当者にとっての実践的な結論は明確です。適格な中国サプライヤーを抹茶調達先に組み込むことは、オプションではなくサプライチェーン上の必要条件となっています。
中国産抹茶サプライヤーの評価基準
中国産抹茶サプライヤーを評価する際には、以下の5点を確認することを推奨します。
- コンプライアンス書類:公認試験機関による日本農薬ポジティブリスト全項目検査対応能力
- トレーサビリティ:茶園から輸出ロットまでのバッチ単位での追跡記録
- 認証体制:ISO 22000相当の食品安全マネジメントシステムの取得
- 供給能力:安定した数量での継続的な供給実績
- 品質グレードの明確化:工業用・フードサービス用・セレモニアルグレードの明確な区分
抹茶のサプライチェーンは変化しています。今、調達戦略を見直し、複数産地からの調達体制を構築した企業が、需要拡大と日本産供給制約の続く市場環境において優位に立つことになります。
よくある質問
2026年に抹茶が高価な理由は何ですか?
2024〜2025年の連続熱波により日本のてん茶生産量が約40%減少し、卸売価格が160〜265%上昇しました。競り価格が前年比最大5.5倍に達したケースもあります。年間7,000〜8,000トンの世界的な供給ギャップが全グレードの価格を押し上げています。
中国産抹茶は日本産と同等の品質ですか?
独立機関によるブラインド官能評価では、中国産抹茶の風味品質は日本産と同等と評価されています。適切な検査を経た中国産は、同等の安全基準を満たしながら日本産より30〜50%安価なことが多いです。
日本の農薬ポジティブリスト制度とは何ですか?
農産物輸入における800以上の管理物質を対象とした日本の規制制度です。茶葉の輸入には公認試験機関での266農薬成分の検査が必要で、1成分でも違反があれば該当ロット全量が通関拒否となります。
中国から日本に抹茶を輸入する際に必要な書類は何ですか?
試験成績書(CoA)、農薬試験報告書(266成分)、原産地証明書、植物検疫証明書に加え、茶園から輸出ロットまでのトレーサビリティ記録が求められます。
Terra Vista Co., Ltd.(テラ・ビスタ株式会社)は日本登記の法人で、中国5省から茶葉を調達しています。日本農薬ポジティブリスト全項目対応の検査証明書およびロット単位のトレーサビリティを提供しています。サンプルお申し込み・見積もりはinfo@terravista.co.jpまでお問い合わせください。