カトマンズの谷から、日本の暮らしへ
「手作り」という言葉は、今やマーケティング用語のひとつになってしまいました。インターネット上には「handmade」と書かれた量産品があふれています。しかしテラビスタがネパールから日本にお届けするフェルト製品は、その言葉を文字通り体現しています。
ネパール・カトマンズ盆地に構えるのは、テラビスタの自社管理工房です。外部への製造委託は行っていません。職人の技術水準、労働環境、原材料の調達経路——すべてを自社でコントロールしているからこそ、品質への責任を持ち続けることができます。
この記事では、一枚のフェルト製品が誕生してから日本のお客様の手元に届くまでの全工程をご紹介します。
なぜ「ウェットフェルティング」なのか
フェルト製品の製法には大きく分けて二種類あります。機械で圧縮する「ニードルフェルティング」と、水・石鹸・摩擦を使う「ウェットフェルティング」です。テラビスタの工房では後者を採用しています。
ウェットフェルティングは手間がかかります。一点あたりの制作時間は1.5〜2時間。職人は石鹸水を含ませた羊毛を手で丁寧に圧縮・成形し、繊維を絡み合わせながら形を作っていきます。機械では再現できないランダムな風合いと、均一でありながらどこか「揺らぎ」のある質感——それがウェットフェルティングの特徴です。
完成品はひとつひとつわずかに表情が異なります。これは「品質のばらつき」ではなく、手仕事の証です。日本の伝統工芸品に通じる「一点物」の価値観と、親和性が高い理由のひとつがここにあります。
原材料へのこだわり——ニュージーランド産メリノウール
フェルトの原材料には、大きく分けてウールと合成繊維(ポリエステルなど)があります。コストだけで比較するなら、ポリエステル繊維は約1ドル/kgであるのに対し、メリノウールは約10ドル/kg。10倍の価格差があります。
それでもテラビスタがニュージーランド産メリノウールにこだわるのには、明確な理由があります。
- 繊維の細さ:メリノウールは繊維径が約15〜18ミクロンと極めて細く、肌あたりがやわらかです。一般的なウールにありがちな「チクチク感」がほとんどありません。
- 吸湿・放湿性:天然繊維ならではの機能で、湿気を吸収して熱を保持し、乾燥すると素早く放出します。ルームシューズやポーチ、インテリア小物としての実用性が高まります。
- フェルティング適性:メリノウールの繊維表面には細かいスケール(鱗片状の構造)があり、ウェットフェルティングの工程で繊維同士が強固に絡み合います。耐久性と形状安定性に優れた仕上がりになります。
- 環境負荷:生分解性の天然素材であり、マイクロプラスチック問題とは無縁です。
品質を妥協しないことが、長く愛される製品をつくる唯一の道——テラビスタはそう考えています。
品質管理:3段階検査体制
テラビスタの工房では、ISO 9001認証を取得した品質管理システムを運用しています。また、生産に携わる職人への公正な賃金と労働環境を保証するフェアトレード認証も取得済みです。
検査は3段階で行われます。
- 製造中検査(In-process Inspection):成形工程で職人自身がサイズ・密度・形状を確認。規定値を外れた場合は工程に戻します。
- 完成品検査(Final Inspection):乾燥・仕上げ後、品質管理担当者が全数を目視確認。色むら、表面の毛羽立ち、縫製の乱れなどをチェックします。
- 出荷前検査(Pre-shipment Inspection):梱包後、抜き取り検査を実施。輸送中の破損リスクを最小化するため、梱包材の適切さも確認します。
この3段階を経ることで、日本の消費者・バイヤーが求める品質水準を安定的に維持しています。
サプライチェーン全体をテラビスタが担う
製品の品質が確かでも、日本への輸送・通関が不透明では、安定した仕入れは実現できません。テラビスタはサプライチェーンのすべての工程を一貫して管理しています。
物流の流れは以下の通りです。
- カトマンズ工房での梱包・検品:出荷前検査を経た製品を、防湿・衝撃対策を施した資材で梱包します。
- カトマンズ倉庫での集荷:複数ロットをまとめ、海上輸送向けのコンテナ積載に向けた最終確認を行います。
- 海上輸送:コンテナ船で日本の港へ。輸送期間の見通しを事前にお客様へご案内します。
- 日本税関での通関手続き:必要な輸入書類(インボイス、梱包明細書、原産地証明など)を漏れなく準備し、スムーズな通関を支援します。
- 国内配送:通関後、お客様指定の場所へお届けします。
工房出荷から日本国内でのお届けまで、標準的な所要期間は約45〜60日です。リードタイムをあらかじめ把握したうえで発注計画を立てていただけるよう、テラビスタは発注から到着までの進捗を随時ご報告しています。
「ものの来歴」が価値になる時代
近年、日本の消費者・バイヤーの間では、「どこで、誰が、どのようにつくったか」を重視する傾向が強まっています。大量生産品との差別化として、「来歴の見える商品」は店頭でのストーリーテリングにも活用できます。
ネパールの職人が1.5〜2時間かけて手づくりし、ISO 9001品質管理のもとで検品され、フェアトレード認証を受けた工房で生まれた製品——このバックグラウンドは、単なるスペック以上の意味を持ちます。
テラビスタは製品を届けるだけでなく、その背景にあるストーリーも含めてお伝えするパートナーでありたいと考えています。
お取り扱いをご検討の方へ
テラビスタのネパール産フェルト製品は、雑貨店・セレクトショップ・インテリアショップ・ギフト向け卸売業者の方々にご好評をいただいています。サンプルのご請求、MOQ・価格帯のご相談は、お問い合わせページよりお気軽にどうぞ。
ネパール発、職人の手仕事が日本のお客様の暮らしに溶け込む——その橋渡しを、テラビスタは誠実に続けてまいります。