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PSE認証の費用:法令で決まっている部分と、決まっていない部分

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PSE認証の費用として公開されている見積りは、同じものを指しているはずなのに約 17 万円相当から 700 万円相当以上まで開きがあります。この開きの背景には、確認できる基準点がひとつあります。

特定電気用品については、適合性検査を行うのは登録検査機関です。第三十五条は国内登録検査機関に対し、適合性検査の業務に関する規定(業務規定)を定め、適合性検査の業務の開始前に経済産業大臣へ届け出ることを求めています。適合性検査に関する料金の算定方法は、その業務規定に定めておかなければならない事項のひとつです。法律が求めているのは届出であって公開ではありませんが、テュフラインランドジャパンは自社の積算根拠を公開しています。

PSE認証にはいくらかかるのか

単一の答えはありませんが、確認できる基準点はあります。登録検査機関であるテュフラインランドジャパンは、特定電気用品の適合性検査に係る手数料の積算根拠を公開しています。2025年10月1日版には 26 品目が掲載され、手数料の概算は 95 万円から 230 万円の範囲です。同社は、これが典型的な設計の製品サンプルに対する概算であり、依頼時の条件によって変動する場合があると明記しています。

品目(特定電気用品) 手数料(概算)
漏電遮断器/携帯発電機 2,300,000 円
電気乗物(電動の遊戯用乗物を指す旧称。自動車・電動アシスト自転車等の道路走行車両は対象外) 1,700,000 円
冷蔵・冷凍ショーケース/アイスクリームフリーザー/自動販売機/自動洗浄乾燥式便器 1,500,000 円
ゴム・合成樹脂絶縁電線/キャブタイヤコード 1,400,000 円
温度ヒューズ/コンセント/マルチタップ 1,100,000 円
電気温水器/電気温蔵庫 1,050,000 円
管形ヒューズ/差込みプラグ/電気便座/電気ポンプ/電動式おもちゃ 1,000,000 円
各種変圧器/電気浴器用電源装置/直流電源装置 950,000 円

出典:テュフラインランドジャパン「電気用品安全法 特定電気用品の適合性検査に係る手数料積算根拠」2025年10月1日。上表は抜粋で、原典には 26 品目が掲載されています。一社の概算根拠であり、業界共通の料金表ではありません。

留意点は二つあります。原典は、この金額を「典型的な設計がなされた製品サンプルに対する概算手数料」と明記したうえで、二つの仕組みを分けて書いています。部品試験や特殊な構造の場合は「工数に応じて費用が加算される場合があります」。解釈別表第十二を適用する場合、製品組込みの部品点数や機能の種類が典型的なサンプルより多い場合、同社で取扱い実績のない製品群の試験を申請した場合「などは、別途手数料の算出をさせていただきます」——「など」で締める非限定の列挙です。なお原典には消費税の内外に関する記載も、工場検査の費用に関する記載もありません。また登録検査機関は複数あり、各社がそれぞれ算定方法を届け出ています。

公開されている見積りが 10 倍以上ばらつくのはなぜか

見積りがばらつく主な理由は、含まれる範囲が異なること、そして少なからぬ場合に規制上の区分そのものが取り違えられていることです。

菱形PSE対象品に対する 17 万円相当の見積りは、上表のどの金額も下回ります。この差は近年のどの為替水準で換算しても残ります。考えられるのは三つです。その製品が特定電気用品ではない、見積りに適合性検査が含まれていない、あるいは有効な型式の証明書が既にあり、それに依拠している——このいずれかです。

三つ目は知っておく価値があります。第九条第一項には但書があり、同一の型式について既に第二号に係る証明書の交付を受け、政令で定める期間を経過していない場合、検査は繰り返しません。施行令別表第一の下欄では、この期間は品目ごとに七年が 27 項目、五年が 21 項目、三年が 3 項目と定められています。二年前に取得した型式について、もう一度支払う必要はありません。

菱形PSEと丸形PSE:費用差はどこから来るのか

菱形PSEの対象は特定電気用品です。第二条第二項は、構造または使用方法その他の使用状況からみて特に危険または障害の発生するおそれが多い電気用品であって政令で定めるもの、と定義しています。具体的な品目は施行令の別表で確定しており、別表第一には 10 の大区分、別表第二にはそれ以外の 12 の大区分が並びます。

第九条により、特定電気用品を扱う届出事業者は、販売時までに登録検査機関の適合性検査を受け、証明書の交付を受けて保存しなければなりません。第九条第一項は二つの経路を示しています。当該特定電気用品そのものを対象とする経路と、試験用サンプルおよび当該事業者の工場または事業場における検査設備等を対象とする経路です。

第二号の経路があるため、菱形PSEの見積りには工場検査が現れ、丸形PSEには現れません。

第八条——技術基準への適合、事業者自身による検査、検査記録の保存——は、特定電気用品を含む対象のすべてに適用されます。特定電気用品以外であれば義務はそこまでで、第三者による検査は求められません。特定電気用品はその上に第九条が乗ります。第十条第一項が「第八条第二項(特定電気用品の場合にあつては、同項及び前条第一項)」と書いているとおりです。

第二十七条は双方に及び、実際に効くのはこの条文です。製造・輸入・販売の事業を行う者は、第十条第一項の表示が付されているものでなければ販売できず、販売の目的で陳列することもできません。第十条第一項そのものは表示を義務づける規定ではなく、義務を履行した事業者が表示を付すことができるという規定です。

PSEマークの取得を代行してもらえるか

代理人が準備・試験・調整を担うことはできます。できないのは、法が責任主体として定めている当事者そのものになることです。第三条は届出義務を製造または輸入の事業を行う者に課し、第八条は技術基準適合と記録保存の義務を同じ届出事業者に課し、第九条はその事業者が証明書を保存することを求めています。

輸入事業者自身が日本国外にある場合、法が想定しているのは義務の肩代わりではなく国内管理人です。第三条第一項第二号はそうした事業者を特定輸入事業者と定義し、輸入した電気用品による危険および障害の拡大を防止するための措置をとらせる者の氏名・住所を届け出ることを求めています。他社の届出(名義)を自社製品に流用するような取り決めは別問題であり、双方に法的な責任が生じます。

PSE認証にはどのくらい期間がかかるのか

公式な標準期間は公表されていません。事業者各社は概ね 8 週間から 16 週間、複雑な製品ではより長い期間を挙げていますが、いずれも自社の説明であって公的な出典に遡れないため、目安として扱うのが妥当です。

わかるのは、どの変数が日程を動かすかです。第九条第一項の二つの経路のうち、工場の検査設備を対象とする経路は、製品単体の検査にはない日程を伴います。技術基準に対する試験データが既にあるかどうかが、もう一つの大きな要因です。

主要な登録検査機関である一般財団法人電気安全環境研究所(JET)は、料金表も標準期間もサイトに掲載しておらず、見積依頼の窓口のみを設けています。これは制度の形と整合的です。第三十五条が求めているのは算定方法の届出であり、個別の製品についての金額は案件ごとに見積られます。

見積りを依頼する前に用意しておくもの

製品が別表第一に該当するかどうかで、後続のほとんどが決まります。したがって判定はここから始まります。製品仕様、対象とする型式の範囲、該当する技術基準に対する既存の試験報告書、工場の検査設備——これらが検査機関の見積りに必要な材料です。

照会先の名簿は経済産業省が公表しています。登録検査機関一覧に、国内登録検査機関と外国登録検査機関が掲載されています。絞り込みで見る欄は、名称や所在地ではなく「特定電気用品の区分」です。国内登録検査機関は9機関で、登録されている区分は機関ごとに異なります。一般社団法人電線総合技術センターは「電線」の1区分のみ、一般財団法人日本品質保証機構は5区分、テュフ・ラインランド・ジャパン株式会社は9区分です(2026年8月14日確認)。自社の品目の区分を登録していない機関に照会しても、見積りは出ません。

Terra Vista は日本を拠点に、越境の市場参入・サプライチェーン・コンプライアンス実務を担っています。こうした実務の背景にある考え方は文化を橋に、理解を道に。に、表示を欠いた場合に何が起きるかはPSE認証と2022年の3つのリコール事例にまとめています。

よくあるご質問

PSE認証を取るのにかかる費用はいくらですか。

特定電気用品については、登録検査機関のテュフラインランドジャパンが公開している積算根拠では、適合性検査の概算手数料は品目に応じて 95 万円から 230 万円です(2025年10月1日時点)。対象は適合性検査のみで、業界共通の料金ではなく一社の概算根拠です。特定電気用品以外であれば、第三者による検査は求められません。

PSE認証とは何ですか。

PSEは、電気用品を日本国内で販売する前に必要となる、電気用品安全法上の表示です。第二十七条は、その表示が付されていない電気用品の販売および販売目的の陳列を禁じています。対象となるすべての電気用品について第八条の自主検査と記録保存が必要で、特定電気用品はその上に登録検査機関の適合性検査が加わります。

PSEマークの取得は代行してもらえますか。

準備・試験・調整の代行は可能ですが、届出・技術基準適合・記録保存の義務は製造または輸入の事業者自身に課されています。国外の輸入事業者は日本国内の国内管理人を届け出ますが、これは危険拡大の防止のための仕組みであり、義務を他者へ移す制度ではありません。

PSE認証にはどのくらいの期間がかかりますか。

公的に公表された標準期間はありません。各社は 8〜16 週間、複雑な製品ではより長期と説明していますが、いずれも自社の説明です。日程を左右するのは、第九条第一項のどちらの経路によるか、そして技術基準に対する試験データが既にあるかどうかです。

菱形PSEと丸形PSEの違いは何ですか。

菱形PSEは特定電気用品、すなわち政令が特に危険性の高いものとして掲げる品目を対象とし、販売前に登録検査機関の適合性検査が必要です。丸形PSEはそれ以外の対象品で、事業者が技術基準に対して自ら検査し記録を保存します。第三者検査が必須かどうかが、費用の差の理由です。

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