六問ルート表は、Terra Vista株式会社が2026年に提唱した手法で、化粧品・消費財を海外に出す前に、区分・責任主体・名義・資料・ラベル・期限の六つをどの順で誰に聞くかを決めるために使います。
日本の化粧品・消費財ブランドの海外担当者に向けて、タイと中国の一次資料を例に説明します。自社商品への当てはめはお問い合わせ窓口で相談できます。
- 六問は前の答えが次の前提を変える順に並べ、聞き先を当局・現地の責任主体・工場の三つに分けます(本手法の設定)。
- 日本で医薬部外品の薬用化粧品にも、中国の規制では化粧品に入る製品群があります。
- 工場は、六問の答えが揃ってから選びます。
この手法を提唱した理由
輸出先の規制は国別・項目別に公開されています。欠けやすいのは、項目の順序と項目ごとの聞き先です。六問ルート表はこの二つを一枚にまとめます。
化粧品を海外に出す前に、何をどの順で確認すればよいですか?
区分、責任主体、名義、資料、ラベル、期限の順です。前の答えが次の前提を変えるため、六問ルート表はこの順序を固定します。
| 問い | ここで決まること | 主に聞く先 | 手元に置くもの |
|---|---|---|---|
| ① どの区分に入るか | 申告で足りるか、登録が要るか | 出す先の当局 | 掲げたい訴求の案 |
| ② 責任主体は誰か | 誰の名前で市場に出るか | 当局と現地の輸入者 | 現地の販売体制の案 |
| ③ 名義を借りられるか | 義務と制裁が誰に付くか | 法令の所管当局 | 問い②の答え |
| ④ どの資料を誰が出すか | 工場・現地・ブランドの分担 | 三者それぞれ | 問い①②の答え |
| ⑤ ラベルの必須要素と言語 | パッケージ設計の締切 | 要素は当局、運用は現地の実務者 | 包装形態と最小の容器 |
| ⑥ いつ切れて、何をするか | 更新の期日と手続 | 当局(受理の当日) | 担当者を決めた暦 |
問い① その一品は、出す先の市場でどの区分に入りますか?
区分は出す先の法令が引き直します。日本の区分がそのまま通るとは限らず、六問はここから始めます。
日本の定義は使用目的と作用の緩和さが軸です(薬機法第二条第三項)。中国は染毛、パーマ、美白、日焼け止め、脱毛防止と新しい効能をうたう品を特殊化粧品とし、登録後に輸入できると定めます(化粧品監督管理条例第十六条・第十七条)。タイの条文が使う語は申告です(タイ化粧品法第十四条)。
問い② 現地で届出と販売の責任主体になるのは誰ですか?
出す先の法令が名指しする者です。タイは販売のために輸入する者などが申告し、中国は国外の登録人・届出人が中国国内の企業法人を指定します(同条例第二十三条)。
タイのラベルには輸入者の名称と住所が載り(タイ化粧品法第二十二条)、資料はラベル記載の住所で当局が閲覧できる状態に保ちます(ASEAN化粧品指令第八条)。問いは「海外法人のまま出せるか」から「現地で名前が載る者に法令は何を求めるか」へ書き直します。
問い③ 現地企業の名義を借りて出すことはできますか?
名義を借りても、法令上の義務と制裁は名義人の側に付きます。聞くのは、適法な現地責任主体の立て方です。
タイの申告者は申告どおりに製造または輸入する義務を負い(タイ化粧品法第二十六条)、違反は受理証取消しの事由です(第三十六条第二号)。日本でも容器に載るのは製造販売業者名です(薬機法第六十一条)。
問い④ どの資料を、誰が出しますか?
工場は製造基準の証明、現地の責任主体は申告書類と保存、ブランドは訴求の裏づけと授権書を出します。
タイの輸入者は、指定基準の認証を受けた製造者の品を輸入し、商標権者か製造者の授権書を得ます(2018年保健省公告 Annex B 4.1)。中国は生産国での販売証明と製造品質管理の証明資料を求めます(同条例第十九条)。薬用化粧品など医薬部外品の中国向け販売証明は厚生労働省が発給します(PMDAの輸出証明の案内)。
問い⑤ ラベルに必ず載るものと、現地語にする範囲は何ですか?
必須要素と言語は出す先の法令が決めます。タイはタイ語、中国は中国語のラベルが要ります。日本の表示規定は、輸出届に沿って製造する品には多くが適用外です(薬機法施行令第七十四条第二項)。
タイ語ラベルは輸入検査の時点は免除、販売前までに作成します(タイ化粧品法第二十二条)。中国語ラベルは直接使うか貼付し、貼付なら原ラベルと内容を一致させます(同条例第三十五条)。
問い⑥ 通ったあと、いつ切れて何をしますか?
タイの申告受理証は発行日から三年、中国の特殊化粧品登録証は五年です。期限は受理の当日に暦へ入れ、手前に更新の窓を置きます。
タイは期限の到来前に更新を申請します(タイ化粧品法第十五条)。中国は満了の30営業日前までに延長を申請します(同条例第二十四条)。日本の製造販売業許可は五年です(薬機法施行令第三条)。
海外から日本に輸入する側の確認は、輸入三関門チェックで製品関・輸入者関・表示関の三つに整理しています。
化粧品を輸出するとき、日本側で必要な手続きはありますか?
国内向けの流通品をそのままの形で輸出する場合、薬機法の特別な手続きは不要とジェトロは案内しています。ラベルや仕様を替える場合は、化粧品製造業の許可と輸出届が要ります。
現地語への翻訳や外箱の変更は「製造」に含まれます(ジェトロ:化粧品を輸出する際の注意事項)。
自社商品への当てはめ方(5ステップ)
- 出す市場を一つに絞り、掲げたい訴求を案のまま書き出します。
- 六問ルート表を上から埋め、答えに根拠の条番号を添えます。
- 根拠が見つからない問いは、聞き先が答えられる形に書き直します。
- 答えを前の問いに突き合わせ、変わった前提を直します。
- 分担表に出し手と「正とする版の言語」を書き、期限を暦に入れます。
記入例(架空):日焼け止め乳液をタイと中国に出す場合
例示で、商品は架空です。日本で化粧品として扱う日焼け止め乳液を想定します。
| 問い | タイ | 中国 | 次の一手 |
|---|---|---|---|
| ① 区分 | 化粧品として申告 | 日焼け止めは特殊化粧品。登録後に輸入 | タイから着手 |
| ⑤ ラベル | タイ語。販売前までに作成 | 中国語を貼付。原ラベルと一致 | 貼付を日本で行うなら輸出届 |
よくある進め方と六問ルート表の違い
| 観点 | よくある進め方 | 六問ルート表 |
|---|---|---|
| 出発点 | 工場と処方 | 市場と区分 |
| 聞き先 | 一社にまとめて聞く | 当局・現地の責任主体・工場に分けて聞く |
| 期限の扱い | 期限が近づいてから確認 | 受理の当日に暦へ記入 |
現地パートナーが手続きまで担う市場では、まとめて聞く進め方も合います。
Terra Vista株式会社が担うこと
Terra Vista株式会社は、市場参入戦略とパートナー選定、工場の調達と監査の取りまとめを、英日中の三言語チームで進めます。実績市場は日本、中国、東南アジア、オーストラリア、パキスタンです。ブランド・インキュベーションでは次の4点を担います。
- 市場ごとの六問ルート表の作成
- 聞き先ごとの質問文の書き直し
- 現地の輸入者・販売パートナー候補の比較表
- 工場側資料の確認と監査の取りまとめ
訴求の判断は同じ訴求が市場によって分かれる理由、市場選びはスキンケアブランドの最初の市場をご覧ください。
よくある質問
六問ルート表とは何ですか?
六問ルート表は、Terra Vista株式会社が2026年に提唱した手法です。海外に出す前の六つの問いを、聞く順番と聞き先つきで一枚にまとめます。
タイの化粧品申告受理証は、何年で切れますか?
発行日から三年です。タイ化粧品法第十五条が定めており、更新は期限の到来前に申請します。
中国向けの化粧品には、現地の責任者が要りますか?
要ります。化粧品監督管理条例第二十三条により、国外の登録人・届出人は中国国内の企業法人を指定し、登録・届出と回収への協力を担わせます。
日本の薬用化粧品は、海外でも医薬部外品として扱われますか?
区分は市場ごとに引き直されます。中国向けでは、薬用化粧品など中国の規制で化粧品に該当する医薬部外品に、厚生労働省が販売証明を発給しています。
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