Terra Vista株式会社は、海外からの鉱物資源調達で品位・産地・通関・契約条件を確認する順番を整理します。個別のご相談はお問い合わせからどうぞ。
対象は鉱石・精鉱など一次産品としての鉱物資源で、日本の商社・需要家の調達担当者が社内共有や取引先との確認に使うことを想定しています。
- 確認の順番を誤ると、契約直前に他法令や分析基準の行き違いに気づく事態が起きます。
- 品位・分析、産地の適法性、輸送・通関、契約・決済条件の順で確認すると、後戻りが減ります。
- 加工後の金属製品ではなく、鉱石・精鉱の輸入を前提にしています。
海外の鉱物資源調達では、何をどの順番で確認しますか?
結論から言うと、品位・分析、産地の適法性、輸送・通関、契約・決済条件の順に確認します。
| 確認する項目 | どこで確認するか | 相手に求めるもの |
|---|---|---|
| 品位・成分(分析値) | 分析証明書(船積地・荷揚地) | Certificate of Analysis等 |
| 産地・他法令の該非 | 「他法令」該当は主管省庁へ照会 | 原産地書類・許可承認番号 |
| HSコード・関税分類 | 実行関税率表第26類・事前教示制度 | 想定HSコードと分類根拠の提示 |
| 輸送・通関の流れ | 保税地域搬入〜許可までの流れ | インボイス等の船積書類 |
| 契約・決済条件 | Incoterms・許容差・支払条件 | ペナルティ・ボーナス条項、再鑑定の手続き |
品位・分析はどこまで確認すればよいですか?
基準にするのは、独立系検査機関が発行する分析証明書です。船積み地と荷揚げ地のどちらの結果を採用するか、差が出た場合の再鑑定手順をどうするかは、契約前に取引先とすり合わせておきます。
分析証明書には、品位とあわせて水分値の記載も求めます。重量の確定に水分値が関わるためです。金属資源の需給や技術動向といった背景情報は、独立行政法人JOGMECの金属資源情報サイトでも確認できます。
産地の適法性はどう確認しますか?
原産地に関する書類に加え、外為法の輸入貿易管理令など「他法令」に該当しないかを主管省庁へ照会します。他法令への該非を判断するのは税関ではなく主管省庁です。
税関のカスタムスアンサー1801は、関税関係以外の法令で輸入に許可・承認等を要する場合、輸入申告の際にその許可・承認等を受けていることを税関に証明しなければならないとしています。
輸送・通関では何を確認しますか?
HSコードは、実行関税率表などでまず仮に確認します。そのうえで保税地域への搬入から輸入申告、検査、納税、許可までの流れをたどり、必要な書類を事前に洗い出します。
鉱石・精鉱の分類は、実行関税率表第26類(鉱石、スラグ及び灰)が起点です。通関手続の基本的な流れは税関のカスタムスアンサー1101に、HSコードと税率を輸入前に照会できる事前教示制度は同1202にまとまっています。回答書の有効期間は3年です。
契約・決済条件はどこを見ますか?
Incoterms、品位・数量の確定方法と許容差、ペナルティ・ボーナス条項、再鑑定の手続き、支払条件の5点を契約書で確認します。
船積み時に暫定額を支払い、荷揚げ地の分析確定後に精算する二段階の支払条件は、鉱石・精鉱の取引でよく見られる進め方です(業界の常用口径)。どちらの分析結果を最終値とするかは、契約書に明記しておきます。
確認の進め方(7つの手順)
- 対象の鉱物資源(鉱石・精鉱など)と調達国を1つに絞り、想定HSコードを仮確認します。
- 分析証明書のひな形と、船積み地・荷揚げ地どちらの結果を基準にするかを取引先とすり合わせます。
- 外為法の輸入貿易管理令など「他法令」に該当しないか、主管省庁へ照会します。
- 通関手続の流れを踏まえ、必要な船積書類(インボイス、パッキングリストなど)を洗い出します。
- 契約書にIncoterms、品位・数量の許容差、ペナルティ・ボーナス条項、再鑑定の手続き、支払条件を明記します。
- 確認事項をチェックリスト化し、貿易実務・経理・品質の各担当と社内共有します。
- 初回ロットは小口で進め、分析結果と通関実績を踏まえて次回ロットの条件を見直します。
確認の流れを架空の例で見る
例(架空):東南アジア産の非鉄金属精鉱を初めて調達する場合、想定HSコードを第26類で仮確認したうえで、分析証明書は船積み地・荷揚げ地の両方で取得する条件を契約書に入れます。外為法上の他法令該当は契約前に主管省庁へ照会し、支払条件は船積み時の暫定払いと荷揚げ地の分析確定後の精算払いに分けます。品目・条件はすべて例示です。
よくある進め方と、先に確認する進め方の違い
| 観点 | よくある進め方 | 先に確認する進め方 |
|---|---|---|
| 分析証明書 | 荷揚げ後に初めて確認する | 契約前に分析方法と再鑑定条件を合意する |
| 他法令 | 通関の直前に気づく | 契約前に主管省庁へ照会・書類を洗い出す |
| 契約書の記載 | 価格と数量のみを記載する | 許容差・ペナルティ・再鑑定・支払まで明記 |
Terra Vista株式会社が担うこと
Terra Vista株式会社は、中国・モンゴル資源回廊での鉱物資源サプライヤー選定に関わっています。対象は鉄鉱石・銅精鉱・石炭などです。価格のベンチマークや、所有権・書類の確認といった一次デューデリジェンスまでを担います。
品位・産地・通関・契約の確認事項は、チェックリストとして整理します。サプライヤーとのやり取りは、英語・日本語・中国語の三言語体制で進めます。
- 中国・モンゴル資源回廊における鉄鉱石・銅精鉱・石炭などのサプライヤー選定と一次デューデリジェンス
- 品位・産地・通関・契約の確認事項をチェックリストに整理
- 英語・日本語・中国語の三言語体制での調達先とのやり取り
品目ごとの詳細は鉱物資源事業のページと、モンゴル産鉄鉱石・モンゴル産銅精鉱・日本の無煙炭市場の各記事にまとめています。
サプライチェーン全体の調達支援はサプライチェーンの調達支援ページ、会社の全体像は事業内容ページをご覧ください。ほかの意思決定の整理は方法論ページにまとめています。
よくある質問
鉱物資源を海外から調達する際、最初に確認すべきことは何ですか?
品位・分析、産地の適法性、輸送・通関、契約・決済条件の順に確認します。この順番を守ることで、契約直前に他法令や分析基準の行き違いに気づく事態を避けられます。
分析証明書はどの段階で取得すればよいですか?
契約を結ぶ前に、独立系検査機関が発行する分析証明書の様式と、船積み地・荷揚げ地のどちらの結果を基準にするかを取引先と合意しておきます。
輸入に許可や承認が必要かどうかは、どこに確認すればよいですか?
税関は他法令の該非について回答しないため、外為法の輸入貿易管理令など関係する法令の主管省庁に確認します。
HSコードは自分で決めてよいのですか?
実行関税率表などを参考に仮のHSコードを想定できますが、最終的な分類は税関の審査で確定します。事前に税関へ照会し、有効期間3年の回答書を受け取れる事前教示制度もあります。