海外工場の評価表は、Terra Vista株式会社が2026年に提唱したOEM工場の選定手法です。5つの評価軸を配点付きで採点し、試作・小ロット・量産の各段階で合格ラインを判定します。
評価軸は品質体制・生産能力と納期・コスト構造の開示・コンプライアンスと監査対応・コミュニケーションの5つです。候補の絞り込みに迷う調達・購買担当の方は、自社工程への当てはめをお問い合わせ窓口でご相談ください。
- 試作・小ロット・量産のどの段階でも同じ5軸で採点し、段階ごとに合格ラインを分けます(配点と合格ラインは本方法の設定)。
- 価格の総額だけでなく、コスト構造の開示に応じるかどうかを配点に含めます。
- 監査(立ち入り検査)を量産移行の条件に位置づけ、問題が出てから実施する進め方とは分けます。
海外調達や工場選定では、段階を追った進め方や評価の切り口は広く知られています。海外工場の評価表は、そこに配点と段階ごとの合格ラインを加え、数値で合否を判断できる方法として設計しました。
海外工場を評価するとき、何を基準にすればいいですか?
海外工場の評価表では、品質体制・生産能力と納期・コスト構造の開示・コンプライアンスと監査対応・コミュニケーションの5軸を配点で採点し、合計点で判断します。
各軸には現地で確認する内容と、求める書類をあらかじめ決めておきます。
| 評価軸 | 配点 | 現地で見るもの | 求める書類 |
|---|---|---|---|
| 品質体制 | 25 | 5Sの実施状況、受入・工程内・出荷の3段階検査ライン | 品質マニュアル、直近ロットの検査記録、認証書の写し |
| 生産能力と納期 | 20 | 稼働率、繁忙期の優先順位、ボトルネック工程の余力 | 月産能力表、納期遵守実績、主要設備リスト |
| コスト構造の開示 | 20 | 見積の内訳分解に応じるか、材料費変動時の再見積ルール | 材料費・加工費・管理費を分けた見積内訳書 |
| コンプライアンスと監査対応 | 20 | 立ち入り検査の受け入れ実績、是正履歴 | 監査報告書、是正処置記録、二次委託先リスト |
| コミュニケーション | 15 | 質疑への応答速度と正確さ、仕様変更時の連絡経路 | 標準連絡フロー図、過去のやり取り記録 |
*配点の合計は100点です。書類が提示されない軸は0点とします。
試作・小ロット・量産で合格ラインは変えるべきですか?
変えます。海外工場の評価表では、試作60点・小ロット70点・量産80点を合格ラインとし、段階ごとに必須の軸を加えます(本方法の設定)。
段階が進むほど求める点数を上げ、量産移行の直前には監査の実績を必須条件にします。
| 段階 | 合計点の目安 | その段階で追加する条件 | 確認すること |
|---|---|---|---|
| 試作 | 60点以上 | 品質体制が15点以上 | 試作品と検査記録の提示 |
| 小ロット | 70点以上 | 生産能力と納期が14点以上 | 工程内検査記録を追加取得 |
| 量産 | 80点以上 | 監査対応で監査実績あり | 移行前に立ち入り検査を実施 |
現地工場を訪問できない場合、何で判断すればいいですか?
訪問できない場合は、書類の充実度で代替します。特にコンプライアンスと監査対応の軸は、第三者機関による監査報告書の有無で判定します(本方法の設定)。
先に求める書類は、品質マニュアルと検査記録、月産能力表と納期遵守実績、見積内訳書、第三者機関の監査報告書、標準連絡フロー図の5点です。提示がない軸は0点で採点します。
見積の総額が一番安い工場を選んでよいですか?
いいえ。海外工場の評価表では、総額そのものではなく、コスト構造の開示に応じるかどうかを配点します(本方法の設定)。
内訳を出さない工場はこの軸の点数を下げ、材料費が変動したときの再見積ルールが明確かどうかも同じ軸で見ます。
自社工程への当てはめ方(7ステップ)
- 対象工程と対象国を1つに絞り、候補を3〜5社に絞ります。
- 候補ごとに5軸の書類をそろえます。
- 2名以上が別々に採点し、差が大きい軸は根拠を突き合わせます。
- 試作段階の合格ラインを満たすか判定し、満たさない候補は次点に回します。
- 小ロットで工程内検査記録を追加取得し、生産能力と納期を再採点します。
- 量産移行前に監査を実施し、コンプライアンスと監査対応を確定します。
- 量産開始後も四半期ごとに再採点し、割った軸には是正を求めます。
計算例(架空):ステンレス製調理器具のOEM先をベトナムで選ぶ場合
工場名・数値はすべて架空の例示です。3候補を5軸で採点し、合計点を段階別の合格ラインと照らし合わせます。
| 候補 | 品質体制 | 生産能力と納期 | コスト構造の開示 | コンプライアンスと監査対応 | コミュニケーション | 合計 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 候補X:見積の総額は最安 | 18 | 14 | 8 | 10 | 9 | 59 | 試作ライン未達 |
| 候補Y:内訳と監査記録の提示が早い | 20 | 16 | 17 | 15 | 12 | 80 | 量産ライン到達 |
| 候補Z:繁忙期の優先順位が低い | 22 | 12 | 18 | 16 | 10 | 78 | 試作ライン到達 |
候補Xは総額最安でもコスト構造の開示が低く、試作ラインに届かず外れます。候補Yは監査実績ありとみなし量産ライン、候補Zは生産能力と納期が14点に届かず試作ラインにとどまります。
よくある進め方と海外工場の評価表の違い
| 観点 | よくある進め方 | 海外工場の評価表 |
|---|---|---|
| 候補の絞り込み | 見積の総額順 | 採点表の合計点順 |
| コストの見方 | 総額のみを比較 | 内訳の開示状況を配点 |
| 量産への移行 | 試作品の見た目で判断 | 段階ごとの合格ラインで判定 |
| 監査の位置づけ | 問題が出てから実施 | 移行前の必須条件 |
| 訪問できない場合 | 取引先からの評判で代替 | 書類の充実度で代替 |
短納期で1回だけ試作する場合は、前者の簡易な比較で足りる場面もあります。
契約と監査の参考になる一次情報
配点や合格ラインは本方法の設定ですが、契約条項や現地評価の実例は次の一次情報を参考にしています。
| 内容 | 出典(一次情報) | 時期 | 評価表での使い道 |
|---|---|---|---|
| 検査・監査条項の例(中国向け契約の記載例。条項構成は他地域にも参考可) | JETRO「中国企業に生産を委託する方法について」 | 2025年8月 | 監査対応の契約チェック |
| 現地評価の実例 | JETRO「ベトナム裾野産業『優良企業』」 | 2026年3月 | 品質体制の現地確認 |
| QMSの位置づけ | JISC「品質マネジメントシステム(QMS)」 | 参照ページ | 品質体制の認証確認 |
| 供給網多元化の支援 | JETRO「海外サプライチェーン多元化等支援事業」 | 2020〜2023年 | 代替候補の検討 |
候補の絞り込みは越境調達パートナー選定チェックリスト、調達全体の進め方はサプライチェーン編成ページもあわせてご覧ください。
Terra Vista株式会社が担うこと
Terra Vista株式会社は、供給網の探索から現地確認までを統括し、英日中の三語チームで進行します。海外工場の評価表に沿って、次を担います。
- 候補工場の情報整理と評価表に基づく採点
- 立ち入り検査の日程調整と現地確認事項の整理
- 買い手による工場訪問の企画と現地運営
- 現地スタッフとの技術的なやり取りの通訳・翻訳
よくある質問
海外工場の評価表とは何ですか?
海外工場の評価表は、Terra Vista株式会社が2026年に提唱したOEM工場の選定手法です。5つの評価軸を配点付きで採点し、試作・小ロット・量産の各段階で合格ラインを判定します。
訪問できない工場は評価から外れますか?
含めます。海外工場の評価表では、訪問の代わりに書類の充実度で採点し、提示がない軸は0点として合計点に反映します。
見積の総額が安い工場を優先してよいですか?
いいえ。海外工場の評価表では、総額よりコスト構造の開示に応じるかどうかを配点し、内訳を出さない工場はこの軸の点数を下げます。
試作段階から監査(立ち入り検査)は必要ですか?
試作段階では不要です。海外工場の評価表では、監査(立ち入り検査)の実績を量産移行前の必須条件とし、試作段階では書類の提示を優先します。
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