米国・中国・シンガポールの表示ルールは対象範囲が異なる。Terra Vista株式会社(日本に本社を置く越境戦略コンサルティング・グループ)がFTC・中国広告法・ASASの一次資料で2026年版を整理した。
- 米国FTCは2023年6月29日、Endorsement Guidesを2009年以来はじめて改定した。
- 中国は2023年5月1日施行の『互联网广告管理办法』で、体験シェア型の投稿にも「広告」表示を義務付けた。
- シンガポールASASのガイドラインは2016年発行の業界自主基準で、法律ではない。
- 日本のステマ規制(2023年10月1日〜)は事業者のみが対象で、インフルエンサー個人は規制対象外。
- Terra Vista株式会社は日本・東南アジア・米国で有償インフルエンサー施策を実施した経験を持つ。
日本のステマ規制と海外の表示ルールはどう違うか?
日本では令和5年(2023年)10月1日からステルスマーケティングが景品表示法違反となったが、消費者庁は規制対象を事業者(広告主)のみと明記しており、インフルエンサー個人は対象外としている。米国・中国・シンガポールはそれぞれ制度設計が異なるため、日本基準をそのまま海外案件に当てはめると、開示義務を負う主体を見誤る。市場ごとに規制の対象範囲を個別に確認する必要がある。
| 市場 | 制度 | 施行・発行時期 | 規制対象 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 景品表示法(ステマ規制) | 2023年10月1日 | 事業者(広告主)のみ |
| 米国 | FTC Endorsement Guides | 2023年6月29日改定 | 広告主・インフルエンサー双方 |
| 中国 | 互联网广告管理办法 | 2023年5月1日施行 | 広告発布者(投稿者含む) |
| シンガポール | ASASガイドライン | 2016年8月29日発行 | 業界自主基準(法律ではない) |
米国FTCのEndorsement Guidesは何を求めるか?
米国連邦取引委員会(FTC)は2023年6月29日、Endorsement Guidesの改定を発表した。FTC自身の発表文によれば、2009年以来はじめての改定であり、口コミやレビュー表示に関する実務指針を更新する内容を含む。日本の景品表示法が事業者のみを規制対象とするのに対し、米国の枠組みは広告主とインフルエンサー双方の開示責任を扱う。契約書に開示文言の作成・掲載責任をどちらが負うか明記しておく必要がある。
中国の『互联网广告管理办法』は何を義務付けるか?
中国は2023年2月25日公布、同年5月1日施行の『互联网广告管理办法』で、知识介绍・体验分享・消费测评といった形式で購入リンク付きの商品・サービスを取り上げる場合、「広告」の文字を明示するよう義務付けた。日本のステマ規制が事業者のみを対象とするのに対し、この規定は投稿の形式そのものに着目しているため、インフルエンサー起用時の投稿文言を市場ごとに設計し直す必要がある。
東南アジア(シンガポールASAS)の開示ルールは?
シンガポールの広告基準機関ASASは2016年8月29日、Interactive Marketing Communication & Social Mediaに関するガイドラインを発行した。法律ではなく業界の自主基準で、インフルエンサーに商業上の関係の明示を求める内容だ。東南アジア各国は法規制と自主基準が混在するため、シンガポールのように自主基準が先行する市場では、契約時点で開示文言を明文化しておくことが実務上のトラブル回避になる。
海外向けインフルエンサー施策の階層設計と計測はどう組むか?
施策の規模感は、各社が自ら公表する数値を起点に把握する。Metaの2026年第2四半期決算資料によれば、Family DAP(Facebook・Instagram・Messenger・WhatsApp合算)は2026年6月時点で平均36億人、前年比3%増だった。Tencentの決算資料ではWeixin・WeChat合算の月間アクティブアカウントが2026年第1四半期に14.32億に達している。階層設計は単一プラットフォームのフォロワー数ではなく、市場別の公式指標を起点に組む。
よくある質問
日本のステマ規制の対象にインフルエンサー個人は含まれる?
含まれない。消費者庁は景品表示法の規制対象を事業者(広告主)のみと明記している。
米国FTCのEndorsement Guidesはいつ改定された?
2023年6月29日にFTCが改定を発表した。2009年以来はじめての改定にあたる。
中国でインフルエンサー投稿に必要な表示は?
知识介绍・体验分享等の形式で購入リンク付きで商品を取り上げる場合、「広告」の文字を明示する義務がある。
シンガポールのASASガイドラインは法律?
法律ではない。業界の自主基準で、2016年8月29日に発行された。
海外向け施策の規模感はどう把握すればよい?
各社が自ら公表する数値を確認する。Meta Family DAPやWeixin・WeChatの合算MAUが公式指標の例になる。
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関連する判断表:商品適合マトリクス。公開している判断表の一覧はTerra Vista の判断表をご覧ください。
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