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小型家電を日本に輸入する:PSE区分、リコール事例、輸入者の義務

· 読了目安 12 分
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ヘアドライヤー、電気ケトル、炊飯器、充電器、モバイルバッテリーは、いずれも電気用品安全法(PSE)の対象で、経済産業省(METI)が所管していますが、区分は品目ごとに異なります。経産省の公式リストでは、2026年9月27日時点で、事業者の自主確認で足りる「特定電気用品以外」が341品目、登録検査機関の検査が必要な「特定電気用品」が116品目に分かれています。

海外OEMで小型家電を調達し、自社が輸入者となって日本国内で販売する場合、まず確認するのは、対象製品がどちらの区分に該当するか、無線機能があれば技適が別途必要になるか、そして輸入した時点で自社にどのような法的責任が生じるかの3点です。下表は、海外調達で扱われることが多い品目を、経産省の品目番号に基づいて整理したものです。

要点

  • ヘアドライヤー、電気ケトル、炊飯器、モバイルバッテリーは自主確認で足りる丸形PSE、充電器・ACアダプターは登録検査機関の検査が必要な菱形PSEに分かれる。
  • Bluetoothなど無線機能を持つ製品は、PSEとは別に電波法上の技適マークが必要になる。
  • 経産省の試買テストでは、2021年度・2022年度とも不適合率が5割前後だった。

小型家電の品目ごとにPSEの区分はどう分かれるか?

経産省は品目ごとに固定の番号を割り当てており、その番号がどちらのリストに属するかで、自社での自主確認だけで済むか、登録検査機関による検査証明が必須になるかが決まります。

小型家電のPSE区分(経産省品目番号、2026年9月27日時点)
品目経産省の呼称PSE区分経産省品目番号認証方法
ヘアドライヤー毛髪乾燥機特定電気用品以外(丸形PSE)第218項事業者による自主確認
電気ケトル電気湯沸器特定電気用品以外(丸形PSE)第104項事業者による自主確認
炊飯器電気がま/電気ジャー特定電気用品以外(丸形PSE)第96~97項事業者による自主確認
充電器/ACアダプター(定格容量1kVA以下)直流電源装置特定電気用品(菱形PSE)第115項登録検査機関による適合性検査
モバイルバッテリー(リチウムイオン電池、体積エネルギー密度400Wh/L以上)リチウムイオン蓄電池特定電気用品以外(丸形PSE)第341項事業者による自主確認

モバイルバッテリーは、経産省の341品目リストの最後に第341項として独立して掲げられており、対象は単電池あたりの体積エネルギー密度が400Wh/L以上のリチウムイオン電池に限られ、自動車用・原動機付自転車用・医療機器用・産業用機械器具用の電池は含まれません。同梱の充電器は別区分の第115項で判定されるため、セット品であっても品目ごとに区分を確認する必要があります(経産省・特定電気用品以外341品目リスト、経産省・特定電気用品116品目リスト)。

特定電気用品以外に該当する製品は、輸入者自身が経産省の技術基準に沿って検査を行い、その記録を残せば丸形PSEマークを表示できます。特定電気用品に該当する製品は、自主検査だけでは足りず、経済産業大臣の登録を受けた登録検査機関(JQAやJETなど)の適合性検査に合格して初めて菱形PSEマークを表示できます。区分ごとの流れの違いはTerra VistaのPSE認証ガイドとPSE認証費用の目安で確認できます。

どちらの区分でも、表示できる事項と表示できる者は経産省の表示ルールで定められています。表示できるのは、PSEマークそのもの、届出事業者名(またはその略称・登録商標)、登録検査機関名(特定電気用品のみ)、定格電圧・電流などの4項目で、うち最初の3項目は近接して表示しなければなりません。これらの表示ができるのは届出事業者本人に限られ、製造も輸入もしない販売業者は、販売前に表示内容が適正であることを確認する義務を負います(経産省・PSE表示ルールのページ)。

無線機能を持つ小型家電は技適も別途必要か?

必要です。Bluetooth搭載のヘアドライヤーやWi-Fi接続の調理家電など、電波を発する小型家電は、PSEとは別に電波法上の技適マークが必要になります。総務省は、受信専用に見えるBluetooth機器(イヤホンやスピーカーなど)であっても、ペアリング自体が電波を発するため技適マークが必要だと明記しています(総務省・技適マークのQ&A)。

技適マークのない無線設備を使用すると電波法違反となる可能性があり、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は5年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金の対象になります。認証方法は、個別に検査を受ける技術基準適合証明と、量産向けの工事設計認証の2種類があり、いずれも総務大臣の登録を受けた登録証明機関が行い、輸入者の自己判定は認められていません。

経産省のリコール公表と試買テストは何を示しているか?

2022年4月15日、タイガー魔法瓶株式会社は、電気湯沸器と電気炊飯器(蒸気レスVE電気まほうびん、VE電気まほうびん、電動ポット、IHジャー炊飯器、マイコンジャー炊飯器を含む)約133万3千台をリコールしました。対象は2020年3月21日から2022年2月20日までに製造された製品で、原因は、電源コードプラグの材質が統一されておらず、技術基準不適合品が混入したことでした(経産省リコール情報220415-1)。その他の事例は日本のPSEリコール事例にまとめています。

経産省の試買テストでも、2年度続けてほぼ同水準の不適合率が出ています。2021年度は60分野176製品を試買し89製品が不適合(50.6%)、176製品中155製品が輸入品でした。2022年度は59分野163製品を試買し81製品が不適合(49.7%)、163製品中142製品が輸入品でした(経産省試買テスト報告書、2021・2022年度、取得日2026年9月27日)。

経産省試買テストの結果(電気用品)
年度試買製品数対象分野数不適合数不適合率うち輸入品
2021年度(R3)176608950.6%176製品中155製品
2022年度(R4)163598149.7%163製品中142製品

リチウムイオン電池については、製品評価技術基盤機構(NITE)に2020年から2024年の5年間でリチウムイオン電池搭載製品の事故が1860件通知され、そのうち約85%(1587件)が火災に至っています。事故は6月から8月に集中する傾向があります。この集計はモバイルバッテリー単体の件数を区分していないため、モバイルバッテリーのみの事故件数はここからは読み取れません(NITE事故統計、取得日2026年9月27日)。

輸入した時点で、自社にはどのような法的責任が生じるか?

製造物責任法では、業として製品を輸入した者も「製造業者」と定義され、製造元と同様に、過失の有無にかかわらず製品の欠陥について責任を負います。電気用品の場合、輸入者はさらに、輸入事業を開始した日から30日以内に所管の経済産業局へPSE事業届出を提出し、自主検査の記録を3年間保存する義務を負います。輸入者としての立場そのものについては、日本における輸入者(Importer of Record)の整理で確認できます。

小型家電のうち家庭用品品質表示法の指定品目に当たるものは、同法が対象とする4部門のひとつ「電気機械器具」として、製造業者・販売業者、またはその委託を受けた表示業者が表示義務を負い、表示は日本語で行います。届出とラベル表示の内容は、ラベルを確定する前に整理しておくと、出荷後に作り直す手戻りを避けられます。

どこから始めるか:PSEルート表

Terra Vista株式会社は日本法人として、こうした電気用品の輸入者を引き受け、品目に応じて自主確認か登録検査機関の検査かのルートを整理し、日本語表示の内容も整えます。最初のご依頼として用意するのがPSEルート表です。対象製品がどちらの区分に該当するか、必要な検査・認証は何か、表示に何を記載するかを、3営業日以内にまとめて回答します。

PSEルート表を依頼する(3営業日)

PSEと技適は販売までの入り口で、その先には別の論点があります。ヘアドライヤーについては日本の消費者がヘアドライヤーに何を求めているかで、認証後によく直面する論点を整理しています。調達先工場とのやり取りやサプライチェーン全体についてはTerra Vistaのサプライチェーン・調達ページを、日本市場参入の進め方全体は合規ルートを決める6つの質問と越境コンプライアンスと日本市場参入を、方法の一覧はTerra Vistaのメソッド一覧をご覧ください。

まず確認すべき公式情報源

よくある質問

ヘアドライヤーは日本で特定電気用品と特定電気用品以外のどちらに区分されるか?

特定電気用品以外(丸形PSE)です。経産省の公式リストは「毛髪乾燥機」を341品目リストの第218項に位置づけており、事業者による自主確認で足り、第三者検査は不要です。

充電器とモバイルバッテリーは同じPSE区分か?

異なります。充電器・ACアダプター(直流電源装置)は116品目リストの第115項に位置づけられ、特定電気用品として登録検査機関の適合性検査が必要です(菱形PSE)。モバイルバッテリー(体積エネルギー密度400Wh/L以上のリチウムイオン電池)は341品目リストの第341項で、特定電気用品以外として自主確認で足ります。

Bluetooth搭載の小型家電はPSEに加えて技適も必要か?

必要です。PSEは電気用品としての安全性、技適は電波法上の無線設備としての適合を示すもので、別々の制度です。総務省は、受信専用に見えるBluetooth機器でも、ペアリング自体が電波を発するため技適マークが必要だと明記しています。

輸入した小型家電の表示責任は誰にあるか?

届出事業者、通常は輸入者にあります。PSEマーク、届出事業者名、定格などを表示できるのは届出事業者本人に限られ、製造も輸入もしない販売業者は、販売前に表示内容が適正かどうかを確認する義務を負います。

小型家電を輸入した時点で、自社にはどのような責任が生じるか?

製造物責任法上の「製造業者」に該当することになり、製品の欠陥について過失の有無を問わず責任を負います。電気用品の場合はさらに、輸入事業開始日から30日以内のPSE事業届出と、自主検査記録の3年間保存が義務となります。

関連ページ

関連リンク:日本のPSE認証ガイド、PSE認証費用の目安、日本のPSEリコール事例、日本における輸入者(Importer of Record)の整理、日本のヘアドライヤー市場と消費者価値、Terra Vistaお問い合わせページです。

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