中国越境EC 判断表は、Terra Vista株式会社が2026年に提唱した手法で、中国向け販売を越境ECモール出店・一般貿易・SNS起点のどの形でいつ始めるかを、商材の条件から決めるために使います。
設問は5つ、根拠は中国政府の公表文書とJETROの解説です。日本の消費財・化粧品企業の海外事業担当の方は、お問い合わせ窓口で自社商材への当てはめを相談できます。
- 越境ECの税の優遇は、ポジティブリスト掲載品を個人が1回5,000元以内・年間26,000元以内で買うことが前提です(2026-09-20確認)。
- 越境ECで届いた商品は中国国内で再販売不可です。卸や店頭が目的なら一般貿易です。
- 「今は始めない」も判定の1つです(本手法の設定)。
なぜ中国越境EC 判断表を提唱したのか
出店手順と制度の解説は数多く公開されています。一方、自社の商材ならどの形か、今かを条件で振り分ける表は見当たりにくいのが現状です。
中国向け越境ECはやるべきですか?
商材がポジティブリストにあり、個人向けで1回5,000元以内、SNSで語れる特徴があるなら始める候補です。どれかを欠けば一般貿易か、時期を改めます(2026-09-20確認)。
| 設問 | 「はい」 | 「いいえ」 | 根拠(一次資料) |
|---|---|---|---|
| Q1 HSコード8桁がポジティブリストにあるか | 優遇の候補 | 一般貿易で検討 | 2022年第7号公告、JETRO短信 |
| Q2 売る相手は個人だけか | 越境ECの候補 | 一般貿易(越境EC品は再販売不可) | 49号通知三 |
| Q3 1回5,000元・年間26,000元以内か | 関税0%、増値税・消費税は法定額の70% | 5,000元超は全額課税(商品1件の注文)、年間超過は一般貿易の扱い | 49号通知一・二、18号通知三 |
| Q4 特殊化粧品か(染毛、パーマ、シミ取り・美白、日焼け止め、抜け毛予防、新効能) | 一般貿易は登録が先 | 一般化粧品は輸入前の届出 | 化粧品監督管理条例16・17条 |
| Q5 小紅書・抖音で語れる要素があるか | SNS起点で声量を先に | モール内の販促を主に | 本手法の観点 |
| 回答の組み合わせ | 形 | 時期 |
|---|---|---|
| Q1〜Q3とQ5が「はい」 | SNS起点+越境ECモール出店 | 今期に着手 |
| Q1〜Q3が「はい」、Q5だけ「いいえ」 | 越境ECモール出店を小さく | 語れる要素を決めてから拡大 |
| Q1かQ2が「いいえ」 | 一般貿易 | 登録・届出の期間を見込む |
| Q4が「はい」で店頭が目標 | 越境ECで需要確認+登録に着手 | 店頭は登録証の取得後 |
| Q1もQ5も「いいえ」 | 今は始めない | 半年後に再判定 |
越境ECモール出店と一般貿易は何が違いますか?
越境ECは中国国外の法人がTモールや京東などに出店して個人へ直接売る形で、初回輸入の登録・届出を求めない扱いと税の優遇があります。一般貿易は登録・届出と中国語ラベルを経て、卸や店頭でも売れます。
| 項目 | 越境ECモール出店 | 一般貿易 |
|---|---|---|
| 事前手続き | 個人使用の入境物品として監督管理。初回輸入の許可・登録・届出は求めない扱い(例外あり) | 特殊化粧品は登録、一般化粧品は届出。中国国内の企業法人を責任者に指定 |
| ラベル | 中国語ラベルのない場合があり、サイトの電子ラベルで確認 | 最小販売単位に中国語ラベル |
| 期間の目安 | モールの公式ページで確認 | 特殊化粧品は申請から4〜6か月、一般化粧品は資料整備に1〜3か月程度(JETRO) |
| 出典 | 486号通知、JETRO 越境ECの概要と留意点 | 条例17・23・35条、JETRO 化粧品の輸入規則 |
中国向け越境ECで化粧品の規制はどうなりますか?
越境EC小売輸入は個人使用の入境物品として扱われ、初回輸入の登録・届出は求めない運用です。一般貿易では特殊化粧品は登録、一般化粧品は輸入前の届出が要ります(化粧品監督管理条例、2021年1月1日施行)。
どちらの形でも、化粧品広告は医療作用の明示・暗示が禁じられます(条例43条)。効能の表現は市場による訴求の扱いの違いも確かめます。
小紅書や抖音で話題になれば売れますか?
声量と販売は別の指標です。本手法は声量を「語られる理由があるか」、販売を「買える導線があるか」の確認に使います。統計ではなく判断の観点です。
SNS起点は輸入の経路ではなく、需要を先に作る順番の選択で、商品は越境ECか一般貿易で届きます。
| 状態 | 読み方 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 声量あり・導線なし | 指名検索の受け皿が空いている | 越境ECモール出店を先に |
| 導線あり・声量なし | モール内の販促に頼る構造 | 語れる要素を決めて投稿を設計 |
| どちらもなし | 需要の根拠が未確認 | 少量の投稿で反応を観測 |
| 両方あり | 拡大の段階 | 一般貿易(卸・店頭)を検討 |
購入リンク付きで体験や測評の形で商品を勧める投稿には「广告」の明示が要ります(互联网广告管理办法9条)。広告法は「最高级」「最佳」等の用語(9条)と、使用していない商品の推薦(38条)を禁じています。人選は商品適合マトリクス、表示は海外インフルエンサー施策の表示ルールガイド(2026)へ。
越境ECから始めないほうがよいのはどんな場合ですか?
卸・店頭が主目的、1回の購入額が5,000元超、ポジティブリスト外の3つです(2026-09-20確認)。語れる要素がなく価格だけが特徴の商材は「今は始めない」と判定し、半年後に再判定します。
自社商材への当てはめ方(6ステップ)
- 商材のHSコード8桁をポジティブリストの最新版と照合します。
- 売る相手(個人か、卸・店頭か)と1回の購入額を決めます。
- 化粧品は条例16条の定義で特殊・一般の区分を確かめます。
- 小紅書・抖音で自社カテゴリの語られ方を観測し、語れる要素を3つ書きます。
- 判定の表で形と時期を決めます。
- 投稿と商品ページの表現を広告法と条例43条に照らし、半年後に再判定します。
計算例(架空):化粧品2品目の場合
手順を示す例示で、商品・回答はすべて架空です。
| 設問 | 商品P:保湿クリーム | 商品Q:日焼け止め乳液 |
|---|---|---|
| Q1 ポジティブリスト | はい | はい |
| Q2 個人だけ | はい | いいえ(店頭が目標) |
| Q3 限度額内 | はい | はい |
| Q4 特殊化粧品 | いいえ | はい |
| Q5 語れる要素 | はい(季節ごとの使い方) | いいえ |
| 判定 | SNS起点+越境ECモール出店、今期 | 越境ECで需要確認+登録に着手 |
よくある進め方と中国越境EC 判断表の違い
| 観点 | よくある進め方 | 中国越境EC 判断表 |
|---|---|---|
| 出発点 | 出店先モールの比較 | 商材の5設問 |
| 化粧品の区分 | 出店後に確認 | 形を決める前に確認 |
| 「始めない」の扱い | 出店を前提に検討 | 判定の1つに入れる |
出店先が既に決まっている段階では、前者が早い場面もあります。
中国側の制度と一次資料
- 486号通知=商財発〔2018〕486号(2018年11月28日付)。対象は監督方式1210(保税)と9610(直送)。
- 49号通知=財関税〔2018〕49号(2019年1月1日から)。18号通知=財関税〔2016〕18号(2016年4月8日から)。
- ポジティブリストは2022年3月1日の改定後1,476税目(JETRO、2022年2月)。
- 化粧品監督管理条例は2021年1月1日、互联网广告管理办法は2023年5月1日施行。
Terra Vista株式会社が担うこと
Terra Vista株式会社は海外市場参入の戦略立案とパートナー選定を担い、実績市場に中国を含みます。英語・日本語・中国語の三言語チームと自社の制作チームで、次の3点を進めます。
- 5設問の回答整理と、形・時期の判定
- 越境ECの運営や輸入を担う現地パートナー候補の比較と選定
- 中国語の商品説明と動画素材の制作
市場別の規制は化粧品輸出規制の市場別対照表、発信の設計はクリエイター施策サービスをご覧ください。
よくある質問
中国越境EC 判断表とは何ですか?
中国越境EC 判断表は、Terra Vista株式会社が2026年に提唱した手法です。5つの設問で、中国向け販売の形と時期を決めます。
越境ECなら化粧品の登録や届出なしで中国に売れますか?
越境EC小売輸入は個人使用の入境物品として扱われ、初回輸入の登録・届出を求めない運用です(商財発〔2018〕486号)。卸や店頭には一般貿易の登録・届出が要ります。
越境ECの税の優遇はいくらまでですか?
1回5,000元以内、年間26,000元以内です。限度額内は関税0%、増値税・消費税は法定額の70%です(財関税〔2018〕49号・〔2016〕18号、2026-09-20確認)。
越境ECで届いた商品を中国の店頭で売れますか?
売れない扱いです。越境ECの輸入品は個人使用の最終商品で、中国国内での再販売は不可です(財関税〔2018〕49号)。
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